飲食店のLINE公式活用は小さな店にこそ向いている

飲食店のLINE公式活用は小さな店にこそ向いている

「SNSとかLINEとか、なんだかよくわからなくて…」そんなふうに感じているオーナーさんは、決して少なくありません。忙しい毎日の中で、新しいことに手を出す余裕がないのは当然のことです。でも今日は、少しだけ「LINE公式アカウント」という道具のことを、一緒に考えてみていただけませんか。

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大きな店より、小さな店のほうがうまく使える

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LINE公式アカウントで「できること」を整理する

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月2回の配信から始める、続けるための考え方

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「選ばれ続ける店」になるために、道具と向き合う

大きな店より、小さな店のほうがうまく使える

LINE公式アカウントというと、チェーン店や大きな飲食グループが使うもの、というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。でも実際のところ、この道具が一番力を発揮するのは、むしろ席数10〜30席くらいの、顔の見える小さなお店だと私は思っています。

理由はシンプルです。大きな店は「たくさんの人に一斉に届ける」ことを目的にLINEを使います。一方、小さな店がLINEで本当にやりたいのは「すでに来てくれているお客さんと、もう少し深くつながる」ことのはずです。そしてLINEという道具は、後者の使い方にこそ、よく合っているのです。

マーケティングの世界では昔から「新しいお客さんを一人連れてくるコストは、既存のお客さんをもう一度来てもらうコストの5倍かかる」と言われています。難しい言葉を使わずに言えば、「新規のお客さんを探すより、すでに来てくれている方にまた来てもらうほうが、ずっと効率がいい」ということです。

月商100万円前後の小さなお店を例にとってみましょう。常連さん30人が月に2回来てくれているとします。もしその方たちが月3回来てくれるようになったら、それだけで来店数が50回増えます。客単価が3,000円なら、15万円分の売上が積み上がる計算です。広告費をかけなくても、です。

LINEは、その「もう一度来てもらう」ための、細い糸を少しずつ太くしていく道具として使えます。

LINE公式アカウントで「できること」を整理する

LINE公式アカウントとは、お店専用のLINEアカウントを作り、お客さんに「友だち追加」してもらうことで、メッセージを送れるようになる仕組みです。個人のLINEとは別のもので、お店のスマートフォンから管理できます。

主にできることは、次のようなことです。

  • メッセージの一斉配信(友だち全員に同じ内容を届ける)
  • お客さんからの問い合わせやメッセージへの返信
  • クーポンやポイントカードの発行
  • 予約の受付(設定によって可能)
  • お店のプロフィールページへの誘導

無料プランでも基本的な機能は使えます。月に送れるメッセージ数に上限がありますが、友だちの数が数百人程度の小さなお店であれば、最初は無料の範囲でじゅうぶん運用できることが多いです(詳しい料金や機能の制限はLINEの公式サイトでご確認ください。変更されることもあります)。

月2回の配信から始める、続けるための考え方

「やってみようかな」と思ったとき、多くの方が最初につまずくのが「何を送ればいいか」と「続けられるか」という不安です。その気持ち、よくわかります。

私がおすすめしているのは、最初は月2回だけ送ることです。それ以上でも、それ以下でもなく、まず月2回。料理の仕込みと同じで、最初から全力でやろうとすると疲れてしまいます。小さく始めて、リズムをつかむことのほうがずっと大切です。

どんな内容を送ればいいか

難しく考えなくていいです。次のような内容が、小さなお店のLINE配信によく合っています。

  • 今月の季節メニューや限定メニューのご案内(写真1枚+一言でじゅうぶん)
  • 「今週は○○が入りました」といった、仕入れの話や旬の食材の紹介
  • お店のお休みや営業時間の変更のお知らせ
  • 「いつもありがとうございます」というひと言の感謝のメッセージ

大事なのは「売り込まない」ことです。「来てください」「買ってください」という雰囲気が強いと、お客さんはすっと引いてしまいます。それよりも、「このお店は今こんなことをしているんだ」「季節が変わったんだな」と、自然に思い出してもらえるような内容が、長い目で見て効果があります。

あるカウンター8席の小料理屋さんが、月に2回だけ「今月の一品」の写真とコメントを送り続けた結果、半年後には「LINEで見て来ました」と言ってくれるお客さんが少しずつ増えてきた、という話を聞いたことがあります。劇的な変化ではありませんが、確実に「細い糸が太くなっていった」出来事だと思います。

友だちを増やすための、無理のないやり方

LINE公式アカウントは、友だちが増えないと意味がありません。でも、「友だちになってください!」と声高に叫ぶ必要はありません。

一番シンプルな方法は、お会計のときにひと言添えることです。「よかったらLINEを登録していただくと、季節のメニューをたまにお知らせしています」それだけでじゅうぶんです。テーブルにQRコードを書いたカードを置いておくのもいいでしょう。押しつけず、さりげなく。それくらいの温度感がちょうどいいと思います。

月に20〜30人のお客さんが来るお店で、半年間丁寧に案内し続ければ、50〜100人の友だちは十分に集まります。その50〜100人が、あなたのお店のことを「また行こうかな」と思い出してくれる確率を少し上げてくれる。それだけでも、LINEを使う価値はあると思います。

「選ばれ続ける店」になるために、道具と向き合う

LINEはあくまでも道具です。道具そのものが売上を作るわけではありません。大事なのは、その道具を通じて「このお店のことが好き」「また行きたい」と思ってもらえる関係を少しずつ積み上げていくことです。

広告費をかけて新しいお客さんを呼び続けるより、すでに来てくれているお客さんに「また来てよかった」と思ってもらい、次の来店へとつながっていく。その繰り返しが、小さなお店の安定した経営の土台になります。一人のお客さんが1年間、2年間と通ってくれる間に運んでくれる売上の合計は、新規のお客さんを集めるコストをはるかに上回ることがほとんどです。

こうした「選ばれ続ける仕組みづくり」について、誰かに話を聞いてもらったり、一緒に考える場を持ったりすることで、気づけることはたくさんあります。自分一人で抱えて考え続けるより、対話の中で見えてくるものが意外と多いものです。

今日から始められる小さな一歩として、まずLINE公式アカウントを作って、お店のプロフィールだけ整えてみてください。配信はまだしなくていいです。アカウントを作って、自分のスマートフォンで「こんな感じになるんだ」と眺めてみる。それだけでじゅうぶんです。仕込みは、ゆっくり丁寧にやるほど、あとの仕事がうまくいきます。


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