飲食店の夜に客が来ない理由、ランチと夜は別の商売です

飲食店の夜に客が来ない理由、ランチと夜は別の商売です
Photo by Tien Nguyen on Pexels

「お昼はありがたいことに混んでいるんですが、夜がどうしても入らなくて」。この言葉、これまで何度耳にしてきたかわかりません。一生懸命つくった料理が、夜は誰にも届かない。その静けさが、どれだけ心に堪えるか。私にも、よくわかります。

1

ランチと夜では、お客さんが「来る理由」がまるで違う

2

夜に選ばれる店が持っている「来る理由」の作り方

3

夜の来店動機を設計するときに確認したいこと

4

まず今日できる、小さな一手

でも、これはあなたの料理が悪いわけでも、店の居心地が悪いわけでもないことがほとんどです。ただ一つ、「昼と夜は、別の商売だ」という視点が、まだ整っていないだけかもしれません。今日はそのことをいっしょに考えてみましょう。

ランチと夜では、お客さんが「来る理由」がまるで違う

昼のお客さんは、理由がはっきりしています。「近くにいて、お腹が空いた」。それだけです。職場や用事の近くにあって、値段が手ごろで、早く出てくる。その条件が揃えば来てくれます。

では夜はどうでしょう。夜に外食をしようとするとき、人は一度「家に帰る」という選択肢と戦っています。疲れた体で、わざわざ出かけていく。そこには必ず、「何か理由」が必要なのです。

記念日だから。誰かと話したいから。あそこの料理が食べたいから。あの店のお酒が飲みたいから。夜の来店は、すべてこういった「来店する動機」によって動いています。

ランチが混んでいるのに夜が入らないお店の多くは、夜もランチと同じ「なんとなく来やすい店」を目指してしまっています。でも夜のお客さんには、もう少し具体的な「ここに来る理由」が必要なのです。

夜に選ばれる店が持っている「来る理由」の作り方

難しく考えなくて大丈夫です。料理の仕込みと同じで、お客さんが「来たくなる気持ち」も、下ごしらえが8割です。材料を揃えてから、はじめて料理が始まる。夜の集客も同じで、まず「来る理由」を用意することから始まります。

ある定食屋さんのことをお話しします。ランチは毎日満席なのに夜はほぼゼロ、という状況が続いていました。お話を聞くと、夜のメニューはランチとほぼ同じ。価格帯も似ている。「夜もやってますよ」という告知もとくになし。これでは夜に来る理由がどこにも見当たりません。

そこでまず試したのが、たった一つの変化です。週に2日だけ、昼には出さない「その日限りの小皿料理」を3品用意し、常連のランチ客に「今日の夜はこんなもの出しますよ」と一言伝えるようにしました。それだけで、数週間のうちに夜の予約が少しずつ入り始めました。

ここで起きていたのは、「夜に来る理由づくり」と「知ってもらう導線」のふたつです。来る理由があって、それを知っている人がいる。この二つが揃うと、お客さんは動いてくれます。

夜の来店動機を設計するときに確認したいこと

「来る理由」を整えるために、まずご自分のお店を次の視点で一度見直してみてください。

  • 夜だけのメニューや体験がありますか? 昼と同じ内容では、わざわざ夜に来る理由がありません。小鉢一品でも「夜だけ」があるだけで変わります。
  • 夜の店内の雰囲気は、昼と変えていますか? 照明を少し落とす、BGMを変えるだけでも「夜の空気」は出せます。
  • 常連のランチ客に、夜のことを伝えていますか? すでにあなたの料理が好きな人が、夜のことを知らないだけというケースは非常に多いです。
  • 夜の客単価(お一人あたりのお会計)は設計されていますか? 夜は一人2,000〜3,500円前後を自然に使ってもらえる構成があると、月に20人来るだけで売上が4〜7万円変わります。

一つひとつは、小さなことです。でもこういった「夜に来る理由」と「知ってもらう仕組み」が重なっていくと、夜の席に少しずつ温かみが戻ってきます。

まず今日できる、小さな一手

大きなことを一気にやろうとしなくて大丈夫です。今日から一つだけ試してみてほしいことがあります。

今日のランチにいらしたお客さんに、帰り際にこう伝えてみてください。「今週の金曜日の夜だけ、昼には出さない◯◯を少し用意しようと思っています。よかったら」。

メニューを大幅に変えなくていいです。告知のチラシも要りません。ただ、あなたが一言、夜の「来る理由」を伝える。それだけで十分です。

夜の静けさは、あなたの店の価値とは関係ありません。ただ、夜に来る理由がまだ届いていないだけです。一人の常連さんが「そういえば夜に行ってみようか」と思ってくれたなら、それがすべての始まりになります。焦らず、少しずつ。いっしょに考えていきましょう。


お店の悩み、ひとりで抱えていませんか?

食塾(SHOKU-JUKU)は、小さな飲食店のための会員制Webコンサルティングです。「続けるための、小さな一手」を、一緒に見つけていきます。

▶ LINE公式アカウントに登録する(無料)
▶ 無料セミナーの案内を見る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA